二重課題キャパシティの大きさ
二重課題とは
高齢者の転倒要因の一つとして二重課題条件下での能力の低下が挙げられる。 二重課題とは主課題と副課題からなり、二つの課題を同時にこなすというものである。 対象者は二つの課題への注意を適切に配分しながら課題を遂行することが求められる。
https://ci.nii.ac.jp/naid/130004585997/より引用
ちょっとなんのこっちゃ?って感じになると思いますので簡単に申しますと、人は一度に二つのことを無意識に行えるということです。例えば「歩きながら話す」「電話をしながらお金を支払う」など日常生活で何気なく行っていることですが、その機能が加齢により低下すると転倒事故などにつながるので、一般的に二重課題という言葉は老人のリハビリやトレーニングなどに用いられる用語です。 ですが、この「一度に二つのことを行う」という行動はスポーツにおいても皆さん普段何気なく行っている事と同じだと思いませんか?
華麗なるプレイの裏に二重課題あり
ドリブルをしながらパスを出す味方を探す
ディフェンスをしながら攻撃のチャンスを見つける
スポーツにおけるこのような動きも二重課題と言えます。
この二重課題が一般的なアスリートとTOPアスリートでは、容量の大きさや範囲がまるで異なります。
上記の「ドリブルをしながらパスを出す味方を探す」という例で考えると、
一般的なアスリートは自分の視覚にいる味方からパスを出す相手を選択しますので、自分よりも前方にいる味方しかパスを出す候補に入りません。
しかし、TOPアスリートになると二重課題の容量や範囲が広いので、自分よりも後方にいる味方もパスを出す候補に入っております。
ですので、皆が息を吞む鮮やかなパスを出せたり、付け入るスキがないような相手でも、見事に勝利を収めることが可能なのです。
この事は一見すると「視野が広い」や「目がいい」と思われるかもしれませんが、単純に「目がいい」だけではスポーツで活躍できません。二重課題で出来てこそTOPアスリートなのです。
今からでも広げることが出来る二重課題のキャパシティ
人には先天性と後天性の二種類の能力がありますよね。
先天性は生まれ持ったもので、後天性は成長と共に備わる能力になりますので、後天性は努力次第で伸ばすことのできる能力です。
今では華麗なるプレイを見せるTOPアスリートでも最初は初心者で、二重課題のキャパシティーも狭いです。それを努力やアイディア、周りの協力や反復練習による閃きなどで一般人の創造を超える広さを手に入れたと言えます。
したがって誰もが努力、アイディア、周りの協力、反復練習による閃きによってTOPアスリートのような二重課題のキャパシティを手に入れることは可能なのです。
その為にはスキルアップが当然必須です。もし現時点では手元しか見れない状態なのに後方まで視野に入れる練習をしてもミスしかおきませんよね。そのような方はまず回りを見れるようになる練習から始めましょう。